金儲けのために医師になることを強要する親
医者にさえなれば……
「金儲けできるから」あるいは、「医師免許さえとれば一生安泰だから」という理由で、我が子を医者にしようと、高額な教育費を払って、大学に医学部に行かせようとする親。
「金儲けできるから」「医師免許さえとれば一生安泰だから」。
これは確かに親の本心なのでしょう。
しかし、正論、いや、いい人ぶったド正論をぶちまけますと、金儲けや安定した職業だからという理由で、子どもを医者にすることを強制することは、結局は子どもも、そして親自身の人生も豊かではないものになると考えます。
もちろん、子どもの将来を考えること、そして立派な仕事について欲しいと考えることは素晴らしいことだと思いますし、親としては当然の考えだと思います。
ましてや、多くの人々の命を救い、多くの患者さんの健康の下支えをする医療従事者としての仕事は非常に尊いものであると同時に、とてもやりがいのある仕事でもあります。
しかし、医療に従事するということは、とても大変なことであることも、同時に認識する必要はあります。
医師として働くことは、責任が大きく、多くの労力や犠牲を必要とする厳しい仕事であるため、子ども自身がその仕事に本当に興味を持ち、やりがいを見出そうとしているか、そこを見極めることがとても重要です。
親は子どもたちの可能性を開花させるために支援をすることは素晴らしいことですが、子どもたちは自分自身の人生を選ぶ権利があり、自分自身が本当にしたいことを見つけ、追求することが重要です。親は、子どもたちが自分自身の夢を追求できるように、様々な選択肢を提供することが大切だと考えます。
勉強しない子ども
と、ここまでが正論なのですが、子どもはそれほど医者になることをイメージできていなくても、親が医者だからという理由だけで、当然自分も医師になるものだと勘違いして、勉強をおろそかにしているケースも少なくありません。
また、子どもたちが自分の興味や能力に合わない分野に無理やり進まされ、結果的に失敗してしまうこともあります。
こういった問題を回避するためには、親が子どもたちの興味や能力に合わせた適切な進路をサポートすることが重要です。子どもたちが医師になりたいと思った場合は、親が医師の仕事のリアルな面や責任、大変さを理解させることが必要です。また、医学部に進む前に、医療関連のボランティア活動やインターンシップなどの経験を積むことで、医師としての仕事についてより深く理解し、自分自身の選択に自信を持てるようになることができます。
親が子どもたちの適切な進路選択をサポートすることで、子どもたちは自分自身の興味や能力に合った進路を選び、やりがいを感じながら成長することができます。とはいえ、これは理想論でもあり、すべての親が子どもの面倒や教育をつきっきりでできるわけではありません。
忙しい親はどうサポートするか
仕事や他の家族の責任など、親自身にも多くの負担がかかることがあります。その場合、どうサポートすれば良いのでしょうか?
べったりと一日中つきあえなくても、日々数分のコミュニケーションでも、コミュニケーションをまったく取らない日が数日続くよりははるかにマシです。ですのでたとえ短時間であっても、子どもの興味や夢について話し合いましょう。
彼らが何に興味を持っているのか、どんな将来像を描いているのかを理解することが重要です。
そして、一方的にただ情報提供をするだけではなく、医療分野に関する情報や進路についての情報を子どもと共有する姿勢も大切です。
そして、時には病院見学や医療関係のボランティア活動など、彼らが医療の現場に触れる機会を持たせることも有効でしょうね。
夏休みなどの長期休暇を利用することが有効です。
それでも興味を持たない場合
しかし、どんなに親が上記のように頑張ったとして、肝心の子どもが医療の世界に興味を持たない可能性も多々あります。
その場合は無理に医療の世界を見せよう、見せようという親の押し付けをしないことが大事だと思います。
子どもはそのあたりは敏感ですからね。
親が張り切れば張り切るほど子どもは引いてしまう可能性大です。
その場合大切なのは「時間」だと思います。
まだ、子どもが医療への興味を持つには時期尚早の時期なのかもしれません。
しばらく時間を置き、数か月後、あるいは数年後に、子どもが成長し、再び医療の世界に興味を持ってから改めてアプローチをするという考え方も大切です。焦らず、じっくりと、です。
まとめ
子どもが自分自身の興味や進路を見つけるのは個々のプロセスであり、親が押し付けることは得策ではありません。子どもの興味や関心は成長とともに変化することもありますので、時間と空間を与えることは重要です。
親は子どもに対してサポートとガイダンスを提供する役割を果たすことができますが、子どもが自分自身を見つけるためには自由な選択の機会が必要です。そのため、子どもが医療の世界に興味を持たない場合は、他の可能性を探ることを奨励することも重要です。
子どもが自身の興味や情熱を見つけるまで待つことは、彼らが自分自身をよりよく理解し、自己成長するための貴重な時間となります。親が子の興味に対して理解と尊重を示し、子が自分自身を追求できる環境を整えることが大切です。
時期が来たら、子どもが再び医療の世界に興味を持つこともありますし、異なる道に進むこともあります。親はその時になって子供の選択をサポートし、彼らが成長しやりがいを感じられる道を見つけることを支援することが重要だと思います。