夏休みを前に医学部受験生に伝えたいこと諸々
夏を前に医学部受験生たちに伝えたいこと
受験は生徒が行うものですが、教える側も同様に焦りを感じます。
時々、「合格は生徒の責任だから、授業はとりあえずやっておけばいい」というスタンスで教えている先生もいます。
考えすぎるのも良くないですが、私自身はこの仕事に携わっている以上、成果を出させなければ意味がないと思っています。だから、責任が重いです。
生徒が理解できなかったり覚えていなかった場合、それは私の責任ですので、何とか改善したいと思っていますが、なかなか難しいこともあります。
授業時間も限られていますし、私自身もまだまだ成長できると感じています。勉強法やメソッドも常に進化しており、究極の地点に到達することは一生ないと思いますが、それを目指すことは重要です。人間は究極の目標を追い求めている存在です。受験生も同様です。
受験勉強において、過去問で高得点が取れるから大丈夫という考え方は間違っています。それでは成長が停止し、堕落の方向に進んでしまいます。勉強においては常に「自分はまだまだだ」という意識を持ち、どんな問題でもしっかり取り組んでほしいです。
参考書の色や種類にこだわることはくだらない話です。
重要なのは自身の成長意識です。常に自分はまだまだだと思えば、次にやるべきことが見えてきます。穴は無限にあります。黄色チャートをやったから大丈夫と思うのは危険です。そんなことが本当なら、医学部に合格していない理由は何ですか?黄色チャートの問題レベルで満足できるのでしょうか?勉強法の本やチャートの色にこだわることは無駄です。やるべきことをちゃんとやる姿勢こそが重要です。常に自己成長し、挑戦し続ける姿勢を持ち、その波動を伝えることが教育の本質だと考えています。
だから、受験生の皆さんには「決して満足するな」と伝えたいです。私が教えている生徒のほとんどはまだまだ満足できるレベルに達していません。だからこそ、チャートや単語帳などを極めるまで取り組むことが重要です。そのために、私自身も自分に言い聞かせています。この夏、お互いにしっかり取り組み、目指す最高の成果を出しましょう。
睡眠について
話は飛びますが、ちょっと睡眠のお話もしておきましょうかね。
勉強において、質を重視し、よく眠ることが大切です。
昔から「四当五落」と言われ、5時間寝た人は失敗し、4時間睡眠の人が成功すると信じられていましたが、実際には質の高い勉強と十分な睡眠の両方が必要です。
私自身、医学部を受験する場合、どのように勉強するかについて考えてみました。5週間という期間は短いですが、夏期間中は集中して勉強しなければ追いつくことが難しいので、お互いに気合を入れて取り組みましょう。
夏期講座では、段階的にレベルを上げながら指導していきます。最初の2週間は基礎固めを行い、次の週からはより難易度の高い問題に取り組んでいきます。自分で復習するのは難しい場合もあるため、私は授業で生徒の学力を伸ばすために積極的なサポートをします。夏期講座の目標は、下のクラスの生徒が医学部レベルの数学力に到達することです。
また、後期にはクラス再編を検討する可能性もあります。夏期講座に参加する生徒の成長に興味があります。自信をつけて医学部合格を目指しましょう。
数学の解放について
数学の解法には、普通の解法と裏技的な解法がありますが、裏技という表現は適切ではありません。
数学の参考書で「裏技公式」として紹介されるものもありますが、実際にはそれらは普通の公式であり、裏技ではありません。また、これらの公式はちゃんとした原理に基づいており、悪いものではありません。私は生徒に使いやすくアレンジしたり、適切に指導しています。
数学の解法には奥深さがあり、常に試行錯誤しながら教えています。ただし、どの解法を使うかは生徒のレベルや戦略によって変わります。私の目標は生徒の成長や合格であり、そのために適切な知識、戦略、技術を提供していきます。
時間が限られているため、効率的な学習を心掛けましょう。
数学 ベクトルの話
生徒の反応を見て思うのは、やっぱりベクトルは難しいのかなということです。
昨年度やその前の経験から、生徒の中には複素数はもちろんですが、ベクトルが苦手な人が予想以上に多いことに焦りを感じました。
今年はそうなりたくないと思い、授業では自分なりに工夫してアプローチしましたが、やはり難しいと感じます。
ベクトルの理解には根本的なところがぜんぜん理解されていないという課題があります。参考書の書き方や先生の教え方に問題があると私は考えています。私自身も難しいなと思いながら取り組んでいて、今年こそはなんとか理解させようとチャレンジしています。
関連する問題は速ければ5秒や10秒で脳死状態でも楽勝に解けるようになります。
ただし、空間の話になるとその解法は使わない方が良いため、それだけに頼るわけにはいきません。理解には多面的な視点が必要です。
ベクトルの「理解」についてもう少しお話します。
ベクトルの理解は結構難しいようです。数学が得意そうな人に聞いても、基本的なことさえ答えられなかったり間違ったりすることが多いです。理解は多面的にしなければならないと言ったのは、どの方向から質問されても向きや数値が変わっても答えられるようにする必要があるからです。
ちょっとしたトリッキーな質問には対応できないと、理解が完全ではありません。自分自身もまだまだ理解しきれていない部分もあります。参考書を見てもぜんぜん理解できないことが多いです。参考書の問題が別々に扱われている点や、2次元と3次元で同じ問題が出てくることなどが問題です。
ベクトルを教える難しさ
さらに、ベクトルを教えるのがさらに難しいのは、平面の方程式や直線の方程式などの根本的な理解をさせる必要があることです。
しかし、その話になると生徒の脳が停止してしまうため、複雑な話にはなかなか進めません。あくまでシンプルな話で理解してもらうためには制限があり、限られた範囲で理解してもらうのは難しいです。入試レベルの問題に関しては、深い理解は必要ありませんが、その浅い理解にもなかなかたどり着けないこともあります。昨年度医学部に合格した生徒の中には、理解させずに合格させてしまった人が多くいて、それが残念です。
自分の中ではここ数年間、私のベクトルの授業を受けてベクトルがすごくわかりやすかったという意見をいただいています。初心者にとってはかなり理解しやすいと思いますが、わかりやすいのと相手が実際に理解しているのとは別の問題です。私が教えてもその後生徒が間違ったり答えられなかったりすると、自分の教え方が悪いのかなと毎年思っています。ベクトルの壁を今年は乗り越えたいと思います。